石北本線・特急オホーツク4号乗車記
こんにちは、NakaNaka115です。
夏の北海道旅行記の続きをやっていきます。
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釧路駅からは釧網本線に乗車し、網走駅までやってきました。ここから旭川まで行くために特急オホーツクに乗車していきます。
夜間帯を走る列車で景色が見えなかったので、主に車内を紹介していきます!
オホーツクとは
オホーツクは札幌と網走を石北本線経由で結ぶ特急列車です。以前は石北本線の特急は全てが特急オホーツクとして札幌まで乗り入れていました。
しかし、北海道新幹線開業の翌年である2017年3月のダイヤ改正で、元々津軽海峡線の特急「スーパー白鳥」に使われていた789系0番台が特急「ライラック」として札幌~旭川間を走り始めたことにより、一部のオホーツクが系統分離され旭川~網走間の運行の特急「大雪」となりました。
「大雪」は旭川で「ライラック」と対面接続しています。
現在の石北本線の特急は、オホーツクが2往復、大雪が2往復で計4往復走っています。
使用車両は両列車ともキハ183系となっています。
今回、私は札幌まで直通するオホーツクに乗車しましたが、旭川駅で下車しました。
外観観察@網走駅
網走駅では、改札の目の前にオホーツクは停車しています。
↓オホーツクに使用されるキハ183系です。主に、特急「北斗」から転属してきたNN183系のグループが使用されています。
↓ヘッドマークです。宗谷本線の特急とは異なり、文字入りの専用ヘッドマークが使用されています。
183系のハイデッカーグリーン車です。3列グリーン車となっていて、グレードが高いです。
景色が見える時間帯に、一度は乗ってみたいものです。
国鉄型であるキハ183系を使用しているために「ボローツク」と揶揄されることもありますが、この側面を見ると、ボロくないとはお世辞にも言えませんね・・・
車内
一部指定席車両(3号車)
まず、3号車の一部指定席車両からみていきます。この車両は、半分が指定席、半分が自由席となっています。
↓3号車の座席です。JR北海道のグレードアップ指定席となっています。
車両半分の指定席には、自由席部との区別のために専用のヘッドカバーがついています。
リクライニングはそれなりに倒れます。シートピッチは拡大されていないため、窓割は合っています(ここがポイント)。
↓座席の足元は空いているため、足を伸ばすことはできます。
付帯設備
↓チケットホルダー、コート掛け、ドリンクホルダー、太いひじ掛けがあります。
↓グレードアップ座席には枕があります。程よい高さで心地良いです。
続いて自由席車へ(4号車)
4号車の自由席車両は、3号車の座席とは異なるものが使われています。
座席のフレームや形的には3号車のグレードアップ座席の方があたらしいのですが、この座席、なんとコンセントがついています。
↓二口のコンセントで、家庭用コンセントみたいです。窓側にしかないので、通路側の人は使いにくいかもしれません(N700系のような感じ)。
加えて、この1号車はシートピッチ拡大車となっています。それ故、窓割があっていません。この車両は、もともと宗谷本線に走っていた特急「サロベツ」の指定席車両として運用されていたものです。
↓リクライニングの角度はグレードアップ座席には劣ります。が、普通にそこそこ倒れます。
写真ではシートピッチの差はあまりないように見えますが、実際乗ってみると目に見える差があります。
コンセントもあることを考えると、グレードアップ座席よりも元「サロベツ」座席の方が良いと思います。
↓シートピッチにはかなりの余裕があります。足元も空いていて前の座席の下にも足を伸ばせます。
↓この座席は、グレードアップ座席とは異なり、チケットホルダー・ドリンクホルダー・コート掛けが座席についていません。(壁についている物掛けはあります)
↓チケットホルダーはなぜか取り外されています(四角い跡が見えると思います)。なぜわざわざ取り外した・・・
デッキ
デッキを見ると、国鉄車の雰囲気が残っています。
↓国鉄の「くずもの入れ」は健在!
↓デッキドアは国鉄からJRへの過渡期を感じさせる雰囲気です。
↓荷物置き場は、客室内とデッキ共に十分な数が用意されていて、北海道らしいです。スキー板用と思われるスペースもあります。
洗面台
元「サロベツ」車両
サロベツ車両(自由席)の洗面台はリニューアルされていて、自動水栓になっています。石鹸もついています。
指定席車両(グレードアップ座席・元「北斗」車両)
サロベツ車両以外の車両は、洗面台のリニューアルがされていませんでした。
国鉄タイプの使いにくい洗面台です。石鹸は追設されていましたが、自由席車両の洗面台の方が新しいことには触れてはいけません笑
また、国鉄車両なので両車ともにカミソリ用コンセントがありました。
寝台列車の最末期や「ムーンライトながら」は、洗面台のカミソリ用コンセントにスマホやカメラの電池などが沢山繋がれていたことを思い出します。サロベツ車両が連結されていない「オホーツク」で緊急に充電したい場合は、許可取りして、水濡れのリスクを冒してここで充電する必要がありますね。
トイレ
なんと真空式かつ洋式のトイレが設置されています。
国鉄型なのに真空式とは予想外でした。
旭川までの所要時間は…?
私が乗車した列車「オホーツク4号」は、網走駅を17:25に発車し、旭川駅に21:14に着きます。網走~旭川間261.5kmの所要時間は3時間49分です。表定速度を計算してみたところ約68.5km/hであり、特急にしては鈍足な部類であるといえます。
石北本線では高速走行はできないので、出しても100km/h以下しか出ません。さらに、鹿の飛び出しによる減速等も必要になるので、かなり遅く感じる特急ではあります。
網走と旭川の中間くらいに位置する遠軽駅ではスイッチバックがあります。スイッチバックした後はこのようなボックス席が多数出来上がりますw
遠軽を出て丸瀬布に止まると峠越えの区間に突入します。1時間ほど無停車で、ひたすら夜の峠を越えていきます。
峠越えを終えたら上川駅に到着。そこから40分ほど盆地の中を走ると旭川駅に到着します。
↓旭川駅からは札幌までの都市間輸送の役割が強くなり、1両半しかない自由席車に賑わいが戻ります。
↓札幌ゆきがどこか誇らしげです。今や、キハ183の運用は石北本線しかありません。
この列車は札幌駅には22:53に到着します。網走~札幌間374.5kmの総所要時間は5時間28分となっていて、宗谷号よりも所要時間が長い特急となります。
ちなみに、この「オホーツク」は後続の宗谷号に猛追されるダイヤとなっています。
オホーツク4号は旭川を21:17に出て、深川・滝川・砂川・美唄・岩見沢に停車し、札幌に22:53の到着です。一方、
宗谷本線から来る宗谷号は旭川を21:30に出て、深川・滝川・岩見沢のみに停車し、札幌に22:57の到着です。
国鉄型のオホーツクに車両性能で勝る宗谷号が砂川と美唄を通過して猛追するというのはよくわからないダイヤではありますが、オホーツクは宗谷号に追いつかれないために札幌駅まで最大限の力を出して爆走します。
↓札幌に向けて走り去る特急オホーツク
まとめ
特急オホーツクは、「ボローツク」や「オソーツク」といった蔑称を付けられながらも、日々長距離を走っています。
長距離を走る国鉄型の気動車特急は今やここだけになりました。国鉄型車両の重厚な汽車旅を満喫できて、非常に思い出深い乗車となりました。
蛇足
旭川駅に着いてコンコースに降りたら、宗谷線内でクマと衝突した影響により、先述した「宗谷」が大幅遅延しているとの放送が聞こえました。
聞いた当時は何とも思わなかったですが、これが翌日の代走劇を引き起こすこととなりました…
ロイヤルエクスプレスが北海道へ!
綺麗な旭川駅に掲げられた、ロイヤルエクスプレスの横断幕です。
このとき、ちょうどロイヤルエクスプレスが北海道で運転していました。リゾート21が改造されて豪華列車になり、それがまさか機関車にけん引されて北海道を走るとは誰が想像したことでしょう…本当に凄いことだと思います。